こんにちは!HSPワーママのおみこです。繊細男児を育てています。
せっかく始めた習い事なのに、子どもが行きたがらなかったり、やめたいと言い出して困ったことはないでしょうか?
無理させるのは良くないかなと思いつつ、「あんなに楽しんでたのに…」「月謝がもったいない!」など、悩みは尽きませんよね。
特にひといちばい敏感な子ども、HSC(Highly Sensitive Child)の場合は一筋縄ではいかない場合も多く、どのように対処すべきか頭を抱えてしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、元HSC・現HSPで繊細歴30年以上である私の経験と
HSCだと思われる息子と接してきた経験から
繊細っ子が習い事を行き渋るときの対処法について解説します!
非HSCの子も応用できることがあると思いますので、お子さんの習い事行き渋りでお困りの方はぜひ最後までご覧ください😊
習い事に行きたがらない理由
習い事を嫌がる理由は子どもによって様々だと思いますが、ここではHSCならではの観点での理由について考えていきます。
理由① 通う中で嫌な出来事があった
習い事に通っている中で嫌なことがあった場合、行きたがらなくなることがあります。
わかりやすいのは「昇級テストがうまくいかなかった」や「お友達に嫌なことを言われた」などの理由ですが、HSCの場合は大人からすれば「え、そんなことで?」と思うようなことで傷ついたり不快感を感じ、行き渋りをすることもあるということを覚えておきましょう。
ちなみに我が息子はスイミングに通っていますが
たまたまいつもと違う水着を持って行ったら着心地が嫌だったと言ってしばらく行きたがらなかったことがありました^^;
理由② 他にやりたいことがある
もちろんまだまだ子どもですから、「週に●回通わないと」という意識は大人よりはるかに低いことでしょう。
目の前に習い事より楽しそうなおもちゃやゲームがあったらそちらに惹かれてしまうのは当たり前のことです。
ちなみに私は小学生の頃、ピアノ教室に行かなきゃいけないことはわかっていたけれど、そのときどうしてもゲームがしたくてすっぽかしてしまったことが1度だけあります…。
先生、お母さん、あの時は本当にごめんなさい。
また、子どもは常に心身共に成長をしているため、それにつれて習い事の内容に興味が持てなくなってきたり、別のことに興味が移っていくのは珍しいことではありません。
そういった時は「始めたからには続けないと」といった固定観念に縛られることなく、子どもと話し合ってどうしていくか決めていくことが大切になってきます。
理由③ 疲れている
今の子どもたちは幼稚園や保育園、学校などの本分に加え、習い事に複数通うことが多いようです。
たくさんのタスクがあると疲れてしまうのは大人も子どもも同じですが、HSCの場合、特別にハードスケジュールでなかったとしても日常生活に疲弊してしまっている場合があります。
なぜならHSCは日常生活の中で触れる様々な色や音、香り、気候、人の表情などありとあらゆる情報をキャッチし、深く処理してしまう気質を持っているためです。
HSCが習い事に行き渋っているときは、生活の中で刺激を受け続けて疲弊してしまっている可能性があることを覚えておきましょう。
本人も原因がわかっていないケースもある
小さい子どもの場合は特に、習い事に行きたくない原因があるけどうまく言語化できず、大人に伝えられないケースも多くあります。
ちなみにうちの息子は習い事の行き渋りと登園渋りは結構な確率で同時に起こることが多く、習い事意外のストレスなどが要因で全てが嫌になる時期があるみたいです。
理由を聞くと「お迎えが●時じゃないから‥」とか「自販機のお菓子買えないから‥」など理由がコロコロ変わる上に、「それ本当?」と言いたくなるようなものばかり^^;
習い事が嫌というよりは、子どもを取り巻く様々な環境や状況があって、それがストレスになった時に彼の中で「習い事行きたくない」という言葉になって現れるようでした。
行き渋るときのNG対応
NG行動① 無理矢理連れて行く
習い事に行きたくないと言われてしまうと、親としては「どうにかして行かせなきゃ」「行けば気持ちが変わるかも」と思ってしまいますよね。
しかし、無理は禁物です。
自分の意思を無視されて育った子どもは、自己効力感が下がります。
その結果、「自分の意見は価値がない」「言っても無駄」「どうせ聞いてもらえない」と考え、ネガティブ思考に陥る傾向が強くなります。
さらに自己効力感が下がると、自己肯定感も下がると言われています。
自己効力感とは
1977年にカナダ人心理学者のアルバート・バンドゥーラが提唱した概念のこと。
「自分ならできる、きっとうまくいく」と自分の能力を信じている心の状態を指します。
HSCやHSPの方が豊かな人生を送るためには、自分の存在を無条件に肯定するための自己肯定感は必要不可欠です。
「それはわかったけど、子どもの意見ばかり聞いていたらわがままに育ってしまうのでは?」という声が聞こえてきそうですが、大丈夫。
子どもは大人が思っているよりも賢く、親が何を求めているのかよく観察しています。そして親に好かれたい、認めてもらいたいという想いを皆持っているので、親が習い事に行って欲しいと思っていること、行った方が良いことは百も承知なのです。
それでもどうしても行きたくない理由があって渋っているのだということをまず理解しましょう。
その上で親子でしっかり話し合い折り合いをつけていけば、ただただ子どものわがままを親が聞いているという事態は免れることができると思います。
子どもとの話し合いのコツについては後述していきますね。
自己効力感についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください💁♀️
NG行動② モノで釣る
どうにかしてお互いにストレスなく習い事に行かせたい!と思うと、ご褒美におもちゃやお菓子を用意しようかな?と思われる方もいるかもしれませんね。
しかし、その方法はあまりおすすめしません。
習い事の度にご褒美がもらえると思われたら親が大変ですし、習い事の本来の目的から離れていってしまいます。
内発的動機付け・外発的動機付けという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
■内発的動機付けとは
内側から湧き起こる興味・関心・意欲に動機付けられている状態のこと。
「興味深い」「もっと上手になりたい」「もっと知りたい」など、物事に自発的に取り組んでいる状態。
■外発的動機付けとは
報酬や他人からの評価、罰など、外部からの働きかけによって動機付けられている状態のこと。
「報酬が欲しいから頑張る」「周りからダメな奴と思われたくない」など、どちらかと言うと仕方なく取り組んでいる状態。
内発的動機付けと外発的動機付け、どちらが楽しく取り組めて、より上達するでしょうか?
答えは明確ですね。
人は自分が心から楽しいと思うもの、興味・関心があるものを選択して楽しんでいるとき、本来の力を発揮できると言います。
ご褒美などの外発的動機付けは、一時的には効果を発揮するかもしれませんが長続きしにくく、習い事を心から楽しめないために、せっかく習っていることも身に付きにくくなってしまうということを覚えておきましょう。
NG行動③ 人格を否定するような声かけ
子どもがなかなか習い事に言ってくれないと、親としては文句の一つも言いたくなるところですよね。
しかし、子どもの人格を否定するような言葉をかけるのはやめましょう。
「人格否定」と言うと、そんなひどいこと言ってないからうちは大丈夫、と思われるかもしれませんが、これが意外と言ってしまっている方が多いのです。
HSCはちょっとした批判のニュアンスが含まれる言葉でも大変なショックを受け、傷つきますので注意が必要です。
具体的には「根性ないなぁ」「あなたが言うから申し込んだのに‥」「せっかくお金かけたのに…」などです。
こうした言葉をかけられると、HSCは特に自分には生きている価値がないとまで思い込み、どんどん自分の殻に閉じこもってしまいます。
おすすめの対処法
おすすめ対処法① 行きたくない気持ちを認める
習い事に行きたくないと言われると、まず「え!なんで?」と思われるかもしれません。しかしまずはその気持ちは置いておいて「行きたくないんだね」や「わかったよ」などの返事をするのが大切です。
受け入れちゃったら休むことが決定してしまう!と思われるかもしれませんが、親に受け入れてもらえたという事実で安心することができます。
息子の場合、行きたくない気持ちを認めてもらえたというだけでなんとなく元気になったようで、急に「やっぱり行く!」と言い出したこともありました。
おすすめ対処法② 休ませて様子を見る
まずは一旦行きたくない気持ちを受け入れて様子を見る。
原因を聞いて、解決できないか考え、提案してみましょう。
それでもどうしても行きたくないようであれば、一度休ませて様子を見るのも良いと思います。
一度休んでまた次回行けるようになるなら単に疲れていただけの可能性が高いです。
しかし、何度も休みたがるようであれば習い事をやめることも視野に入れるべきかもしれません。
踏ん切りがつかない場合は先生やコーチに相談して、休会が可能かどうか確認しましょう。
休会にすることで籍を残しつつ、ひと月あたりの習い事代を抑えることも可能です。
おすすめ対処法③ 習い事に関する動画を見せる
我が家で最も効果があったのがこの対処法です。
通っているスイミングスクールは専用のアプリがあるのですが、アプリ内で進級テスト用にお手本の動画がアップされています。
スイミング行きたくない!と言い続け1か月以上が経ち、もう退会かな…と思っていた矢先に、なんとなくその動画を見せてみたら
急に瞳を輝かせながら「この技はこうやってやるんだよ!」「これ、僕もできるよ!」と家で練習をし始めたのです!
その翌週は久々にスクールへ行き、現在も楽しく通っています^^
先述した自己効力感を高める方法の一つに、「自分に似た立場の人の成功体験を見聞きする」というものがあります。
おそらく息子は自分と同じくらいの年齢の子どもが体操をしている動画を見たことで自己効力感が高まり、「もう1回やってみたい!」と思うことができたのかなと感じています。
自己効力感についてもっと知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください▼
習い事教室のアプリなんてないよ~という方でも、今は便利なものでYouTubeやSNSがありますよね。
体操教室、スイミング、ピアノ、英会話など、探せばほとんどの習い事系の動画は見つけることができると思います。
もしお子様の習い事行き渋りでお困りの場合は、試す価値ありです!
どうしてもやめたがる時
色々と策を講じてみたもののずっと行きたがらない場合、やはりやめることを検討する時期に来ているのかもしれません。
その場合、ただやめるのではなく子どもと話し合ってどのようにやめるのか、その後どうするのかを一緒に決めていくことが大切になります。
なぜなら、人が幸せな人生を歩んでいくためには「自己決定する」ということがとても重要だからです。
自分で決めたことをパパやママが尊重してくれたという事実は、大人たちが思っているよりも子どもにとって大きな出来事となります。
しかし、まだ未熟な子どもたちに全てを委ねるのは親として少し不安もありますよね^^;
かと言って親が子どもをコントロールしようとし過ぎると、子どもは自己決定ができない子になり、自己効力感が低くなってしまいます。
そこで大切なのが、親のコントロールの圧力を最小限にして話し合うことです。
エドワード・L・デシという心理学者とそのチームが行った4歳児対象の調査では、「親が次の3つの要素を持って子どもに関わると自律性を妨げずに制限を守れるようになる」ことが立証されています。
子どもの自律性を妨げず制限を守れるようになる3つの要素
①共感
まずは「やりたい」または「やりたくない」などの子どもの気持ちに共感する。
②説明
なぜ「やらない方がいい」または「やった方がいい」と親が言っているのかを説明する
③自己決定
最後に「こうしてくれたら助かる」「こっちの方が嬉しいけど、どう思う?」など、プレッシャーを最小限にした言い方や質問の仕方で親の思いを伝え、子どもにどうするか選択の余地(自己決定権)を与える。
具体的な言葉かけでいうと、
習い事頑張って疲れちゃったんだね。(共感)
でもね、あなたが今までとても頑張ってきたから、もう少しで●級までいけるのにもったいないという気持ちもあるの。(説明)
ママはせっかくならあなたが頑張ったことを形に残すためにも●級合格まではチャレンジしてみても良いんじゃないかと思ってるんだけど、どう思う?もちろん最後は自分で決めて良いんだよ。(自己決定)
といった感じです。
ポイントは、親がどう思ってるか伝える際に「あなたが決めて良いんだよ」の気持ちを根底に持ち、強制しているように聞こえないよう、細心の注意を払うこと!
ここでやめさせるわけにはいかない、どうにかして続けさせたい、など、子どもをコントロールしようという気持ちは子どもに見透かされてしまいます。
そのような親の気持ちを感じ取ると、子どもは抵抗したくなったり、親の期待に答えようとして本当はやりたくない習い事を自ら継続しようとします。
子どもが自己決定をして生きていくことがその子の幸せにつながっていくことを信じて、最後は子どもに委ねてみましょう。
子どもが習い事に行きたがらないとき【まとめ】
今回は子ども(特にHSC)が習い事に行きたがらない場合の原因や対処法についてまとめてみました。
いろんな体験をさせてあげたい、良いところをもっと伸ばしてあげたい。
きっと、子どもの成長や未来を想って始められた方がほとんどではないでしょうか。
だからこそ子どもに行きたくない!と言われてしまうと困惑するし継続して欲しいと思うのが親心ですよね。
しかし、子どもが習い事に行きたがらない時は何かしらの原因があります。
大切なのは
①親子で原因を探り対処する。
②対処ができないならどうするか、親の意見も伝えながら子どもに決めてもらう。
③そして子どもが決めたことに対し、親はコントロールしようとするのではなくそれを尊重しサポートしていくことです。
親がコントロールを手放すのは勇気がいりますが、子どもを信じて、子どもの可能性を拡げてあげられたら良いですね。
参考図書
子どもに幸せな人生を送って欲しい!
子どもの困った行動にどう対応したら‥
と思った時におすすめの本です。
幼児〜高校生(もしかしたら社会人になってからも!?)のお子さんがいる親御さんや、子どもを指導する立場にある方に一度読んでみていただきたい一冊。
私はこの本を読んで、良かれと思って子どもにかけていた言葉が、実は子どもの可能性を潰してしまっていたかもしれないということを知りました。
特に毎日忙しさを感じている時や、子どもが言うことを聞かなくてイライラしてしまう時にこそ読むとハッとすることばかり。
手元に置いておいて、子育てで困った時やちょっと疲れてしまった時などに、定期的に読み返したくなります。
主に子どもへの声のかけ方について書かれているのですが、読後は親である私の気持ちも潤っているような気持ちになります。
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